「趣味でライブ配信をしている人」は1%未満
昨今、ストリーマーやライバーと呼ばれるライブ配信者が人気となっており、芸能人のライブ配信も増えています。 そういった状況の中、ライブ配信サービスの認知度として、YouTubeLiveが5割を超えてきているようです。
一方、「自分でライブ配信をやっている」という方は、各サービスとも1%を超えていないとのこと。 思い立ったら誰でもできる、という状況ではありますがやはりハードルは高いようです。
以前趣味で継続的にライブ配信をやっていた身としては、視聴者が増えれば増えるほど、「素行の悪い方、攻撃してくる方、身元を探ろうとしてくる方、距離感がちょっとおかしい方」が増えていき、2チャンネルなどでいろいろなことを書かれたり、変な対応を強いられた経験があります。 そういったリスクはある程度想像できますので、そのあたりが心理的なハードルになっているのかなとも思いました。
インフルエンサーの限界点
ライバー・ストリーマーのところでもすこし書きましたが、これらの活動やSNSでのインフルエンサー活動をやっておられる方に共通する悩みとして「身近に感じてもらうことでのメリットとデメリット」があげられます。
企業経営者にも、人気を得ることを利用する方もいらっしゃいます。身近に感じてもらえると、ビジネスの本質以上に共感を得て発言力が高まり、様々な利益につながっていくというわけです。
経営者の人気取りに限らずインフルエンサー全般に言えることですが、人気を得られればメリットが生まれる一方、コミュニケーションの距離感が危険(友達と同じレベルになってしまうなど)な方が出てきてしまいます。 それから、いわゆる「切り抜き動画」などで、本来の文脈とちがう形で発言をまとめられるなどして、勝手に思想や人格を作られてしまうということも起こっています。コミュニケーションの距離感をコントロールする、自分の発言を意図通りに伝えるのは実は非常に精神的、肉体的に負荷がかかることで、なおかつ手間もかかります。 たとえはTwitterで変なリプライばかりをしてくる人をブロックしたとします、ブロックされた人は怒り、悪意を向けてくるようになるかもしれませんし、逆恨みして人気を奪うようなことをするかもしれません。
インフルエンサーは人気商売ですから、そういったことに敏感にならざるを得ず、徐々に自分でない自分を演じなければならなくなり、また発言の間違った解釈が拡散され、高いストレスの中で活動をせざるを得なくなります。
これらに耐えられる人だけが活動を継続でき、メリットを得られる才能があると一口で言えばそうなるわけです。
ただそんな中、学者の落合陽一さんがこんな記事を公開されました。
精神的・肉体的限界という切り口はなく、むしろ人気を出さないようにしなければならないという考えです。 示唆に富む文章でしたので、ご一読されることをお勧めします。
統計データがあるわけではないのですが、個人的には、インフルエンサーと認識されていてもともと本業が別にあるような方々は、徐々に人気取りから離れ始めている気がしています。 残っていくのは「生来のインフルエンサー」で、人気を得るために正しくないことを正しいと言ってしまうような方も多いように思います。 社会の分断はこういうところからも起こっているのかもしれないとも思ってしまいました。