前回、様々なデータを見ながら、PCとスマートフォンの動画視聴動向の違いを洗い出してみました。
今回はそれをもとに、なぜ若い世代がスマホで動画を見るのか、そのほかの世代に見てもらうためにはどうしたらいいのかについて考えていきたいと思います。
まずは、前回わかったことを端的にまとめます。
- 学生世代はスマホで積極的に動画を見ている
- 全世代にわたって、PCで動画を見ている
- スマホでは短い動画が見られている
- PCでも年齢が高い層になると、短い動画が好まれる
以前にも書きましたが、若い世代を強く狙うのでなければスマホへの動画配信を考慮しなくてもいいであろうという事がわかります。
逆に、どうして学生世代はスマホで動画を積極的に見るのでしょうか。
小さな画面で映画やドラマ、ゲーム実況をみるのはとても見づらいはずです。
私は、学生世代はいやおうなくスマホで動画を見ている説を唱えたいと思います。
理由としてはPCを好きなときに自由に触れる環境が無いが、スマホは自分専用のものを持っているからだと考えるからです。要は自由に使えるPCをもっていないから。
このような状況になった結果、学生世代ではスマホをフルに活用するという流れになり、それに引っ張られる形で若い世代のスマホ動画視聴も伸びているのではないでしょうか。
では、ほかの世代にスマホの動画をもっと見てもらえるようにするにはどうしていったらいいでしょう。
スマホで比較的見られている動画の特徴が前回まででわかっています。
それは、長さが短く簡潔な内容のものです。
- スマホは移動時間や休み時間などの合間合間でちょっといじるケースが多い
- スマホは画面が小さくて動画が見にくい、よって基本的には分かりやすくて短い時間のものを見る
スマホで配信する動画コンテンツを以下のように工夫をすることによって、スマホでの動画視聴を幅広い年齢層で受け入れられるようになるはずです。
- 短くてわかりやすくまとまっている動画
- 字幕がついているなどして小さい画面でも見やすい動画
- 見なくてもいい動画(動画という体裁だけども聞くことが主体にする)
単に短い、単に字幕がついているということからスタートしてもいいかもしれませんが、「スポットライト」というスマホに特化した動画ニュースサイトは、非常にうまくスマホに最適化された動画を作っていらっしゃいます。
お手本にしてみてもいいのではないでしょうか。
https://www.spotwright.com/
最後に、主観も込みでまとめます。
- スマートフォンの普及はものすごいものがある
- 学生世代から高齢者まで、個人の端末として保持している
- スマートフォン向けの動画は若い世代を中心として視聴が活発
- 他の世代でなかなか見られないのは、スマホで見やすい形にコンテンツがなっていないから
逆に考えれば、スマホで積極的に動画視聴をしていない人がまだまだたくさんいるという事です。
スマホに最適化された動画をしっかり作っていくことで、空白になっているマーケットをとれる可能性があるという風にも考えることができますね。
余談になりますが、今の学生世代が30代になったときにも、スマホで動画を見るのを好むのかどうか、というところは興味深いです。
10年たって、今と変わらず若い世代だけが否応なくスマホで動画を見ているのか、動画自体がスマホに最適化されていくのか、それともスマートフォンという端末が劇的に改善されて動画が見やすいものになっているのか、はたまた30になっても40になっても、小さな画面で長い動画を相変わらず見続けるのか。
どうなるのか、楽しみです。
「独自調査から見る、国内インターネット動画視聴の実態」連載は今回で終了です。
また機会があれば、様々なデータなどをもとに、インターネット動画について考えていきたいと思っています。
今回の記事のデータとしても利用した「インターネット動画関連の実態調査レポート」を配布しています。
- 概要をまとめた資料
- データ集
を同梱しています。
お役立てください!
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