「動画コンテンツを販売してみたいけれど、自前のサイトを作るとしたら何から考えればいいのか分からない」
そんな悩みを持つ方に向けて、本記事では動画販売サイトを構築する際に押さえておきたいポイントを、実際の事例を交えながら解説します。
今回お伝えする内容は次の4つです。
- 動画販売とは?
- 動画コンテンツの課金方法
- 動画販売サイトに必要な機能
- 動画販売の収支シミュレーション
1. 動画販売とは?
動画販売とは、ひとことで言えば「動画やライブ配信に値段を付けて販売するビジネス」です。販売する動画コンテンツの形は、大きく3つに分けられます。
- 動画を販売:SVOD(会員制の見放題配信)、レンタル、買い切りなど
- ライブ配信を販売:視聴チケット販売、配信終了後のアーカイブ配信など
動画販売が行われているジャンルは幅広く、オンラインスクール・オンライン教室・オンライン学習塾といった教育系から、エンタメ・スポーツ・音楽といったジャンルまで、さまざまな事業者が取り組んでいます。
2. 動画コンテンツの課金方法
動画コンテンツの課金方法には、大きく分けて次の2種類があります。
- 都度課金:動画やチケットを1本ずつ購入する方式
- 定額課金:一定期間、動画が見放題になるサブスクリプション方式
3. 動画販売サイトに必要な機能
動画販売サイトを構築する際、多くの方が「どんな機能が必要か」を事前に洗い出し、検討することになると思います。ここでは、その検討がしやすくなる考え方をご紹介します。
マーケティングファネルで整理する
動画販売に必要な機能は、「ターゲットユーザーの購買プロセス」に沿って考えると整理しやすくなります。
購買プロセスとは、ユーザーが「サービスを知る → 興味を持つ → 検討する → 買う」という一連の行動を辿ることです。これを逆三角形で可視化したものが「マーケティングファネル」です。
ユーザーの購買プロセスには段階があり、それぞれがつながっています。そのため機能を検討するときは、購買プロセスが途中で途切れないよう、段階ごとに適切な準備をしておくことが重要です。
ファネルの各段階と、対応する課題・必要な機能の例は次の通りです。
| 段階 | 課題 | 必要な機能の例 |
|---|---|---|
| 認知 | コンテンツを知ってもらう、イメージを良くする | デザインの自由度・LP、無料動画、一覧性・検索性 |
| 関係性 | ユーザー情報を獲得する、情報を伝達する、コミュニケーションをとる | 会員登録、登録へのインセンティブ付与、メール配信・プッシュ通知、お知らせ等の掲示機能 |
| 購入検討 | 買ってもらいやすくする | サムネイル・説明文、サンプル動画、課金方法のバリエーション、販売期間・数量限定 |
| 購入 | リピーター・ロイヤルカスタマー創出 | 支払い方法の充実、購入データの管理、決済履歴・視聴履歴、購入者への再アプローチ |
認知・興味関心のフェーズ
「サイトのデザインは凝ったものにした方がいいのか?」とよく聞かれますが、必ずしも凝ったデザインは必要ありません。重要なのは、伝えたいことがきちんと伝わるかどうかです。最低限、動画のサムネイルやページの説明文はしっかりしたものを準備しておくとよいでしょう。「最低限+αで考えていく」という発想を持つと、検討がしやすくなります。
実際、動画販売に取り組んでいる事業者のサイトデザインは、シンプルなものから凝ったものまでさまざまです。
動画販売サイトのデザイン事例はこちらからご覧いただけます。
関係性のフェーズ(事例)
関係性の段階では「会員を獲得したい」という要望がよく挙がります。
Adobe製品の使い方などクリエイティブの基礎が学べるウェブスクール「Too Training Center Desi Web校」(株式会社Too様)の事例では、複数本の動画講座をまとめてセット販売する中で、セット内の1本目の講座を会員限定の無料配信にしています。会員登録すると無料視聴できる動画を用意することで、会員登録のインセンティブを提供している好例です。
購入検討のフェーズ(事例)
購入検討の段階では、課金方法にバリエーションを持たせることで購入してもらいやすい状況を作っている事例があります。
アジアのドキュメンタリー映画専門の動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」様では、以下のような課金方法を用意しています。
- サブスクリプション(全作品見放題)
- セット販売(見放題パック:6ヶ月間見放題、1年間見放題)
- 単品販売(作品単位の販売)
サブスクと都度課金(単品・セット販売)を組み合わせることで、月額課金に抵抗があるユーザーにも購入を検討してもらえる可能性が広がります。
購入までのシナリオを考えておく
最後に、ユーザーを購入まで導くシナリオを整理する考え方として「カスタマージャーニー」も役立ちます。
例えば「〇〇が学べるオンライン講座」の場合、ユーザーは次のような段階と思考を経て購入に至ります。
- 認知:Google検索 →「〇〇が学べる良い方法はないかな?」
- 興味:ページ閲覧 →「自分に合った講座なのかな?」
- 関係性:アカウント登録 →「このスクールについてもっと知りたいな」
- 購入検討:判断材料の収集 →「受講プランはどうなっているのか?」
- 購入:購入の決断 →「支払い方法はどうなっているのか?」
それぞれの段階に対して、リスティング広告・ランディングページ・会員限定動画・ターゲティングメール・無料期間ありのサブスク・クレジットカード決済など、具体的な施策を準備しておきます。「購入まで誘導するにはどうしたらよいか?」という観点で考えると、機能や施策の整理がしやすくなります。
4. 動画販売の収支シミュレーション
動画販売を始める前に、ぜひやっておきたいのが収支シミュレーションです。動画販売を実施すると「どのくらいの利益が得られそうか」を、実際に計算してみましょう。計算の考え方はシンプルで、毎月の売上予測から発生するコストを差し引いて利益を計算します。
- 売上予測:単品・セット販売、サブスク販売など代表的な課金方法での売上金額
- コスト:決済にかかる費用、システムの利用料
従量課金コストには要注意
コストを検討する上で特に注意したいのが、売上が上がるほどコスト高になる「従量課金コスト」です。代表的なものとして、次のようなコストがあります。
- 売上に応じて増える販売手数料(例:販売金額に対して〇〇%)
- 登録ユーザー数による追加課金(例:1アカウントごとに〇〇円)
- 配信データ量に応じた従量課金(例:転送量1GBごとに〇〇円)
このようなコストがあるかないかで、利益は大きく変わります。事業が成長するほど、従量課金制のサービスではコストが利益を圧迫していく一方、定額制サービスであればコストが一定のため利益を最大化しやすくなります。事業の成長スピードを見据えて、どちらの料金体系が自社に合っているかを見極めることが大切です。
まとめ
動画販売サイトを構築する際は、
- 動画販売の形(生配信/ビデオ通話/動画)と課金方法(都度課金/定額課金)を理解する
- 必要な機能は「マーケティングファネル」に沿って段階的に整理する
- 完璧を目指さず、スモールスタートで考える
- 始める前に収支シミュレーションを行い、特に従量課金コストの影響を把握しておく
というポイントを押さえておくと、検討がスムーズに進みます。
ここまでは「何を検討すべきか」という企画・戦略面を中心にお伝えしてきましたが、実際にシステムをどう用意するか(スクラッチ開発するか、既製のシステムを導入するか)、業者に依頼する場合の注意点については、別記事「動画販売サイトの構築方法と注意点を紹介します」で詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。
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