2020年12月に3700サンプルからデータを取得した結果を掲載しておりますので、そちらも併せてご確認ください。 →若年層のインターネット決済についての調査データを公開します
若年層向けにインターネット上で課金を行いたい場合、どういった決済方法を準備したら良いのでしょうか?
良く言われるのが「キャリア決済」です。 スマホを親から持たされているお子さんが、スマホの代金と合算払いを行う決済を行うことでインターネットで買い物やサービスの購入ができるようになるものです。
しかし私の肌感覚では、キャリア決済はあまり若者に利用されている感じはありません。 また昨今のフィンテック勃興により、若年層が使える決済手法が多様になってきました。
今回は、若年層が使える決済方法のうち代表的なものを紹介し、後半で実際にアンケートをとった結果を見ながら、最適な若年層向け決済サービスを考えてみたいと思います。
若年層が使える代表的な決済方法
まずは代表的なものを上げ、簡単に説明をします。
キャリア決済
携帯電話の利用料金と同時請求で、物品購入やサービス有料契約を行える。 最近話題のMVNO(格安スマホ)ではキャリア決済を行えない。
コンビニ決済
ネットサービスで購入ボタンを押すと、コンビニでの支払いコードなどが表示される。 それをもってコンビニに行き、手続きをおこなってレジで支払う。
プリペイド形式クレジットカード(未成年可能)
- バンドルカード
- Kyash
デビットカード(15歳以上可能)
銀行預金に連動したクレジットカード番号を持てるサービス。 デビットカードに割り当てられているクレジットカード番号で決済を行うと、銀行口座から直接決済金額が引き落とされる。 ※ある分しか使えない
代金引換
商品が自宅などに届いた際に、代金を支払う。
ATM振込
銀行やコンビニのATMで、指定の口座にお金を振り込む。
ネットバンキング(銀行によって年齢制限が違う)
インターネットバンキングを使って銀行振り込みを行う。
コンビニでカードを購入して支払い
- Vプリカ
- amazonギフト券
などのカードをコンビニで購入し利用する。 Vプリカはクレジットカード番号に購入金額分のお金がチャージされる。 amazonギフト券はamazonの自分のアカウントにチャージして使う。
PayPal
PayPalはメールアドレスと、クレジットカードや銀行口座を紐付けることで、メールアドレスを入力するだけで決済が行えるサービス。 未成年が親のクレジットカードや自分のデビットカードなどをPayPalに登録して利用する。
実際のところ、若年層はどういう決済方法をとっているのか
結構若年層がとれるインターネット決済の種類は多いな、という印象になりました。 これを踏まえて先日Twitterにて18歳以下にアンケートをとってみたところ、母数は少ないですが大まかに以下のような回答を得ることができました。
有効回答者数 45名
コンビニ決済 12名 携帯キャリア決済 7名 バンドルカード・デビットカード 18名 プリペイドカード決済 8名 ※重複選択無し
バンドルカードやデビットカードを利用しているという若年層が多く、携帯キャリア決済は予想外に少ないという結果となりました。
使い勝手を考えるとクレジットカードと同等に利用ができるバンドルカードやデビットカードを使うようになってきている事は理解できます。
また、コンビニ決済を利用しているという回答も目立ちました。
若年層にサブスクリプションサービスを提供する場合、キャリア決済しか支払い方法が無い
自動的に毎月継続して一定の金額が自動決済される形でサービスを継続的に提供する「サブスクリプション型サービス」を若年層に提供する場合、決済方法が狭まります。
サブスクリプション決済は自動で行われる必要があるため、自ら能動的に支払うような決済方法では実現ができません。
よって、クレジットカードやキャリア決済などの自動で決済がかけられる決済サービスでの提供に限られてきます。
しかし若年層はクレジットカードを持つことができないため、若年層向けに確実にサブスクリプションサービスを提供する場合は、
- キャリア決済
を選択する必要があります。
ただし不確定ですが、
- PayPalを経由したデビットカード、銀行口座決済
- 一部デビットカード
でも、クレジットカードでのサブスクリプションサービス契約を行ってもらうことで、決済が可能との情報があります。
若年層向けにはどの決済サービスを準備したらいいか
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
を準備すると良いでしょう。
若年層は、デビットカードやプリペイト形式のクレジットを容易に入手できるため、クレジットカード決済を準備すればある程度は賄えそうです。 あわせてコンビニ決済を準備すれば、若年層のネット決済はある程度カバーできると思っていいでしょう。
サブスクリプションサービスを提供する場合は、先述のようにキャリア決済しか選択肢がなさそうですが、数か月~1年分前払いなどサービス提供費用を長期間分まとめて支払ってもらうという方法をとっても良いでしょう。