オタク。
私が10代のころ(今40後半です)のオタクは非常にアンダーグラウンドな存在で「俺〇〇オタクなんだよ」ということを自らいう人はいませんでした。
イメージもよくなかったように思い出されます。
少なくとも私が住んでいた田舎ではオタクな人というものを見たことがありませんでした。
そもそもインターネットなどない時代ですので、都市圏とは得られる情報の差が大きく、オタクという存在は田舎にはいなかったのかもしれません。
時は流れて現在、オタクという言葉の意味合いがとてもカジュアルになってきました。
もともと旧来のオタクが好んでいたものが、マジョリティに受け入れられるようになってきたからということもあると思われます。
オタクが意味するところが「サブカルチャー趣味に詳しい人、没頭している人」ぐらいになってきている様子があり、おしゃれさを感じさせる文脈でもオタクという概念が用いられることもあります。
現在において、オタクは一般化した、といって良いでしょう。
さて、
本来の話に戻りますが、現在のオタクはどのジャンルの方たちが最もお金を使うのでしょうか。
矢野経済研究所さんが調査結果を出していましたので、見ていきましょう。
「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2023年)
「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2023年) | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
プレスリリース 「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2023年)
先述のようにオタクが特殊な存在ではないため、サブカルチャー趣味が好きな人たちのジャンル別趣味予算、という意味合として読むのが妥当そうです。
また、上記の矢野経済研究所さんのデータは、15~69歳を調査対象としたということなので、子供に人気のジャンルの数値が低かったりします。
以下3つの切り口で見てみます。
1.ジャンルごとのひとりあたりの年間消費金額
2.ジャンルごとの全体の消費金額規模
3.ジャンルごとの時間あたり消費金額
データについては矢野経済研究所さんが出された結果をもとに計算したものになるので、先ほどの矢野経済研究所さんの調査結果と合わせてごらんください。
1.ジャンルごとのひとりあたりの年間消費金額
このようになっていました。
上位5つと下位5つを挙げます。
トップ5
1.PC組み立て/電子工作 (105,652円)
2.アイドル (80,085円)
3.メイド・コスプレ関連サービス (63,533円)
4.ディズニー関連 (61,541円)
5.ラジコン (45,400円)
ボトム5
5.ライトノベル (13,018円)
4.プロレス (12,917円)
3.アナログゲーム (12,152円)
2.音声合成 (10,361円)
1.サバイバルゲーム (2,000円)
わたしはPC組み立てが趣味だったりするのですが、電子工作と同じジャンルかな?とは思いつつ、年間10万円ぐらいというのは何となく腑に落ちました。
3のメイド・コスプレ関連サービス、というのがどうも何を指しているのかわからない(コスプレという趣味ジャンルが別途ある)のですが、メイドカフェやコンカフェ通いなのかな?という気もします。
アイドル趣味の方の予算の多さはすごいなと感じます。
下位を見ると、確かにお金がかかりそうにないものが並んでいます。
しかし、プロレスという趣味ジャンルにおいては観戦チケット代そんなに安かったかな?と思いつつ、そこはちょっと謎でした。
音声合成、というのは、おそらくボーカロイドなどでの歌唱作成のことではないかと思われます。ソフトを1回購入してしまえばお金はかかりません。
サバイバルゲームは、たしかに参加費ぐらいしかかからないですね。(使う道具にかかるお金はトイガンというジャンルで計上されているものと思われます)
2.ジャンルごとの全体の消費金額規模
こちらの結果は、
市場規模を表すわけではなく調査結果から算出した数字なのであしからずご了承ください。
ジャンルごとの全体の年間消費金額規模を、以下のように算出し、順位付けしました。
ジャンル人口×ひとりあたり年間消費額=ジャンルごとの全体の消費金額
結果は以下です。
トップ5
1.アイドル (3,435億)
2.アニメ (1,375億)
3.漫画 (1,321億)
4.スマートフォンゲーム (1,088億)
5.家庭・コンシューマーゲーム (1,032億)
ボトム5
5.トイガン (21.7億円)
4.ドール (21.4億円)
3.音声合成 (18.6億円)
2.ミニ四駆 (16.4億円)
1.サバイバルゲーム (4,000万円)
アイドルを趣味にしている方は人数も多く、消費金額も多いため、抜きん出ました。
2位以下もなるほど、という結果になっているのではないでしょうか。
下位を見ると、確かにあんまりやってる人いなさそうだな、という趣味ジャンルがならんでいます。
ミニ四駆については、現在第4次ブームともいわれているのでちょっと意外な結果でした。
ただミニ四駆の趣味人口は4万人程度であるとなっているので、かなりニッチなジャンルには違いないですね。
3.ジャンルごとの時間あたり消費金額
最後に、時間あたりに使っているお金です。
データをもとに、1時間当たりの消費金額を算出しました。
以下のように計算しています。
年間消費金額 ÷(週あたり消費時間×52週)=1時間当たりの消費金額
コスパという表現で言い表すものにも近しいかもしれません。
トップ5
1.PC組み立て/電子工作 (431.23円)
2.メイド・コスプレ関連サービス (423.55円)
3.フィギュア (328.64円)
4.ラジコン (275.15円)
5.ディズニー関連 (246.16円)
ボトム5
5.インディ・同人ゲーム (44.82円)
4.音声合成 (41.44円)
3.PCゲーム (39.37円)
2.Vtuber (31.76円)
1.サバイバルゲーム (23.53円)
何か物を作る、という方向性の趣味が時間当たりのコストは高いという傾向がありそうです。それはそうですね。
トップ2のメイド・コスプレ関連サービスは、やはりメイドさんやコスプレしてる人への推し活なのかなという気がしますよね。
ボトムを見ると、ゲーム系に関しては一度購入すると時間をかけてやりこめるので、時間単価が安くなるのはわかります。
わたしはPCゲームも趣味で、PCを組み立ててそれでゲームをする、というつながりになっています。
趣味の相関性もありそうですね。
Vtuberは時間単価が低くなっています。年間消費金額はそんなに低くないので、費やす時間が多いようです。
オタク趣味と学びビジネス
この調査結果で挙げられているオタク趣味のジャンルをみると、ほぼすべてのジャンルで動画化されたものを視聴できることがなんとなくわかっていただけるかと思います。
趣味を楽しんでいる様子やテクニック、ハウツーなどの動画はだれしも視聴したことがありますよね。
趣味をより楽しめる、上達するためのコンテンツやレッスン、というものは実はまだあまり動画ビジネス化されていません。
YouTuberがそういう動画を投稿していることがビジネス、ととらえられなくもないですが、音楽教室や料理教室をみると、リアル教室・オンライン教室は昔からありますよね。
最近の新しいビジネス構築の動きをみると、スモールビジネスを無理なく立ち上げることがトレンドになってきているようです。(メリットは様々。)
それを考えると、オタク趣味に関する教室、というのはかなりアリなのでは、という気がしています。
実際ちらほらとそのような事業を起こされている会社さんもいらっしゃるようで、趣味に対しては財布のひもが緩みますから、有用な情報の提供や、趣味に関する学びはうまくやればビジネスになりそうです。
※アイキャッチ画像は生成AIの作です!