1. なぜ「社外秘動画の配信=オンプレミス」と考えてしまうのか?
動画の安全な配信を検討する際、真っ先に「オンプレミス」が選択肢に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。 そもそもオンプレミスとは、自社の中にサーバーなどの機器を設置し、自社のネットワーク内でシステムを構築・運用する形態のことです。 これに対して、インターネット経由で事業者側のサーバーを利用する形態をクラウド(SaaS)と呼びます。 なぜ社外秘動画の配信では「オンプレミスが良い」とイメージされやすいのでしょうか。 それには、従来のセキュリティに対する考え方が大きく影響しています。「自社ネットワーク内=絶対安全」という固定観念
以前から企業では、「自社のネットワークの内側(オンプレミス)は安全で、インターネットの向こう側(クラウド)は危険」という境界防御の考え方が一般的でした。 そのため、「社外秘のマニュアルや戦略動画を配信するなら、自社内にサーバーを置くオンプレミスだ」というイメージが強く定着していったのです。「サーバーの安全」と「動画・視聴者の安全」のズレ
しかし、ここにはひとつ見落としがちなポイントがあります。 オンプレミスでサーバー自体を自社内に安全に置けたとしても、「動画を見ている人がどのように取り扱うか」までを自動的に保護できるわけではないという点です。 どれほど強固な自社サーバーを建てても、視聴者がアカウントを誰かに貸してしまったり、画面を録画して外部に持ち出したりしてしまえば、情報の漏洩は防げません。 つまり、「サーバーがどこにあるか」だけでなく、「動画そのものや視聴者の動作をどうコントロールできるか」という視点も大切なのです。2. オンプレミス検討時に見落としがちな2つの現実
セキュリティのためにオンプレミスを選択しようとする際、事前に知っておきたい「隠れたリスクやコスト」が存在します。① 内部からの「使い回し」「持ち出し」リスク
情報の漏洩インシデントの多くは、外部からのハッキングだけでなく、悪気のないアカウントの使い回しや、内部関係者によるデータの持ち出しによって発生しています。 「URLをうっかり第三者に教えてしまった」「退職予定者が動画を保存してしまった」といった事態は、オンプレミスで構築したからといって解決できるものではありません。 必要なのは、同一アカウントでの同時ログインを制限したり、動画ファイル自体をダウンロードさせない暗号化技術を導入したりすることです。② 目に見えない「隠れた運用コスト」の存在
オンプレミスは初期構築費用が大きいことが知られていますが、実は導入後の「運用コスト」も膨らみやすい傾向があります。 システムを安全に維持するためには、OSやミドルウェアのセキュリティパッチ適用、脆弱性への対応、24時間365日の監視、不具合発生時の復旧作業などが欠かせません。 これらを自社のIT担当者や社内SEが行う場合、目に見えるシステム費用だけでなく、膨大な「人件費や負担コスト」が継続的に発生することになります。3. 「流出させない」ために必要な5つのセキュリティ要件
では、大切な社外秘動画や極秘マニュアルを安全に配信するためには、どのような機能や対策が必要なのでしょうか。 押さえておきたい5つの要件をご紹介します。- ネットワーク・拠点制限(IPアドレス制限) あらかじめ許可されたオフィスのIPアドレスや、社内VPNを経由したアクセスのみに閲覧を限定する機能です。指定した場所や端末以外からのアクセスをシャットアウトできます。
- アカウント使い回し防止(同時接続遮断) 1つのアカウントで複数の端末から同時にログインできないように制限する機能です。IDやパスワードが第三者に貸し出されるのを防ぎます。
- 不正利用・持ち出し防止(HLS暗号化配信) 動画データを暗号化して配信する仕組みです。視聴者はブラウザ上でスムーズに再生できますが、動画ファイルそのものをPCやスマホに直接保存(ダウンロード)されるリスクを大幅に軽減できます。
- ログイン時のなりすまし防止(2要素認証) パスワードだけでなく、認証アプリやSMSなどを組み合わせた「2要素認証」を導入することで、第三者による不正ログインやなりすましを強力に防ぎます。
- エビデンス保持(詳細な視聴ログ管理) 「誰が、いつ、どの動画を、どこまで見たか」を正確に記録・確認できる機能です。安全管理の証明になるだけでなく、「万が一」の際にも原因追及や特定につながるため、強力な抑止力となります。