次号のメールマガジンの原稿にも、配信で稼ぐためのジャンルや儲けのしくみをまとめたのですが、人気ゲーム配信者の躍進はここのところすさまじいものがあります。
ライブ放送でゲームをする様子を配信する彼らは「ストリーマー」と呼ばれています。
ゲームを行いながら、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとるというのが一般的な放送スタイルとなります。
世界でもトップクラスの人気のストリーマーになると月額の売上が50万ドルにもなるそうで、多くのファンや視聴者を抱えているため売上だけではなく、ファン層(若年層)に対する影響力も絶大です。
人気ストリーマーの後ろでどれぐらいのお金が動くのか
超人気ストリーマーが配信するプラットフォームは、多数の視聴者を集めることができます。
数十万、数百万ともいわれるファンが生放送を視聴するからです。
ゲーム配信のプラットフォームと直近の歴史:YouTube・Twitch・Mixer
少し話が脱線します。
YouTubeは「YouTuber」という言葉をうまくブームにのせ、人気動画投稿者を囲い込むことに成功しました。
人気動画投稿者の囲い込みに成功すれば、動画の再生回数が増え結果として広告の表示が増えます。YouTubeのプラットフォームとして売上がのびるということになります。
ストリーマーの話に戻します。
超人気ストリーマーは沢山のファン(数十万~数百万)を抱えており、多くのストリーマーは現在Amazon傘下の「Twitch」というゲームに特化したライブ配信サービスを利用してゲーム配信を行っています。
ここ数年、マイクロソフト社もゲームのライブ放送分野での覇権争いになのりを上げてきており、「Mixer」という競合サイトを立ち上げました。
※2020年11月24日追記
Mixerは残念ながら閉鎖され、FacebookGamingというサービスに統合されました。
高額な報酬でストリーマーを囲い込むプラットフォーム
YouTubeも、YouTubeGamingというプロジェクトを立ち上げましたがTwitchにかなわず撤退するなか、Mixerは起死回生の手として超人気ストリーマーに高額な報酬をしはらい、Mixerのみで配信を行う契約を行いました。
Ninja氏には3年で6億円の報酬を支払ったという話が上がっており、後に続いたShroud氏に対しても同じような条件での専属配信を依頼したものと思われます。
若年層のゲームライブ放送視聴者は非常に多く、人気のあるストリーマーはたくさんの視聴者を呼ぶことができます。
動画ではYouTubeの牙城を崩すことは難しいかもしれませんが、ゲームのライブ放送であればまだ可能性があると踏み、マイクロソフトは大金を投じて人気ストリーマーを囲い込んだということになります。
プラットフォームとして沢山の視聴者を抱えることができれば、利益につながるからです。
ゲームの実況動画(ライブ含む)は、今や金のなる木です。
※2020年11月24日追記
Ninja氏とShroud氏は、結局Twitchに配信基盤を戻して現在も大活躍中です。
国内ストリーマーの事例
ニコニコ動画から活動を開始した国内のゲーム実況者の中でも、人気を誇っている人やグループがいくつかありますが、武道館でライブを行ったり、展示会を行うホールを貸し切ってイベントを行うレベルになっています。
もちろん、一般人がそこまでになるには早くても4~5年の時間がかかるのですが、ゲーム好きの芸能人が最近この枠に参入してきています。
たとえは、女優の本田翼さん。
彼女のゲーム好きはかなり有名だそうですが、1年ほどまえに突如YouTubeでゲームのライブ放送をスタートさせるやいなや、同時視聴者数が16万人という記録をたたき出し、先日はさいたまスーパーアリーナを貸し切っての「ゲームに関するイベント」を独自開催し、大入りとなったようです。
日本人ストリーマーで同時視聴者数16万人を集められる人は、ほかに居ません。
またさいたまスーパーアリーナを満員にするイベントを行える人もそうは居ないでしょう。
彼女は本職が女優さんなので、どこまでこのジャンルで稼ぐのかという点は未知数ですが、どこかの配信サイトと専属契約を行ったり、特定のゲームのPR目的で放送を依頼したり、というビジネスは容易に想像ができます。
先ほど海外の事例で名前を挙げたNinja氏のように、ストリーマーを本業としている方も日本に存在しています。
日本では、「stylishnoob氏」がトップストリーマーとして有名です。
ほぼ毎日ゲームの配信を行っておられ、配信中は常に1万人以上の視聴者が彼のプレイを見守っています。
いわゆる「ガチのゲーマー層」にリーチしたい場合は、彼のような元プロゲーマーのストリーマーに依頼が行くようです。
若年層にリーチしたいなら、ストリーマーを活用するのも手
若年層へのリーチ力が強い「ストリーマー」に対して何らかの宣伝を依頼するのは、有効な手段といえます。
ただしYouTuberとは異なり、日本国内ではストリーマーを抱えているしっかりした事務所のようなものはまだ存在せず、直接取引となると若干リスクがないとは言えません。
弊社では、プロゲーミングチームのスポンサー活動を通じて様々なパイプがあるため、国内のストリーマーにPRをしてほしいというようなご依頼にも対応できる場合があります。