大手動画配信サービス利益追求の現状と中小サービスが取るべき方法

コラム
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NETFLIXをはじめとする大手の動画配信サービスの会員の伸びが鈍化してきている件、様々なニュースで報道されるようになってきています。 まず、なぜ会員の伸びが鈍ってきているかを簡単にまとめます。

  1. 各サービスがオリジナルコンテンツでの囲い込みを実施(数年前から)

  2. 様々なサービスでそれぞれのオリジナルコンテンツを見たいという消費者の欲求が高まる
  3. 全部のサービスに毎月利用費をはらうのを躊躇した消費者が、「このコンテンツを見たら解約して別のサービスを契約する」という行動をとりはじめる。

上記が、会員の伸びが鈍化している理由です。 こうなると、利益の伸びも鈍化します。

大手動画配信サービスはどのようにして利益を高めようとしているか

大手サービスは、これぐらいで利益安定させればいい、という考えには至りません。他のサービスに出し抜かれれば一気に会員数が減り、収支が合わずに衰退する懸念もあるでしょう。 ですので、これからも利益を伸ばすために以下のような対策を始めてきています。

  1. 値上げ(広告付きプランも含む)

  2. サービス統合
  3. 全話一斉配信から1話ずつ毎週配信への切り替え

値上げについては、純粋な値上げもありますが、 ・今の価格のプランには広告を付ける ・広告を外すためにはプラスアルファ月額費を払う というタイプのものを検討するサービスが増えてきています。 消費者目線ではちょっとないなあと思いつつ、確かに利益は確保できそうです。

サービス統合はコストカット的な発想です。 アメリカのDisny+は傘下のHuluを統合する予定です。(日本のHuluは日本テレビが買収済みのため影響しない模様)

1話ずつ毎週配信については、新コンテンツリリースのタイミングでの一気見を防ぎ、契約期間を少しでも長くしようという算段でしょう。 12週間のリリース期間中は契約が継続される確率が高まりますし、その間に新しいコンテンツがリリースされれば、契約は続きますよね。

上記の動きが今秋~来年前半ぐらいで一気に進むものと思われます。

中小動画配信サービスはどのようにして利益を伸ばすべきか

まずは会員数を増やす努力は惜しむべきではありません。 良質なコンテンツを準備し、リーチする人を増やすことで会員数を伸ばすことは基本となります。

次に大手と同じように動画に広告をつければいいのでは、という発想になるかと思うのですが、これは大手のようにうまくいきません。 なぜなら、再生回数が圧倒的に少ないからです。 再生回数が少ない=広告の露出が少ない、となりますので、動画広告の出稿が少ないかほぼない状況になります。

ソーシャルキャストでは以前、広告管理会社が提供する動画広告を自動的に配信ができる機能(VAST)がありましたが、成功したサービサーさんはいらっしゃいませんでした。

では中小動画配信サービスで、会員獲得以外のプラスアルファの利益はどのようにねん出するといいのでしょうか。

広告を出すことについては良い方法と言えますが、大手のような動画広告配信システムと連動させるのではなく、純広告(直接広告掲載を受ける)やり方が良いでしょう。 具体的には、

  • サービスサイトやアプリにバナー広告を掲載する

  • 動画の冒頭や最後に入稿してもらった動画広告を入れる(編集で)

大手と同じような「1再生いくら」という形での広告掲載では上乗せと言えるほどの利益を得ることは難しいでしょうから、「〇か月いくらで広告掲載」「〇円でこの動画の末尾に広告掲載」という形で契約をする必要があります。

ただし、どんなサービスでも広告掲載ができるかというとそういうわけでもないでしょう。 まず広告を掲載したいという方を募らなければなりませんし、そもそも広告掲載をすることが許されるサービスかどうか(コンテンツの内容など)をしっかり検討しましょう。