昨年の記事で、Apple TV+は製品のオマケだよ、という事を書きました。
Appleの考え方を参考にすれば、動画視聴は実はオマケで、別のところで売り上げを得たり、付加価値を得ることができますよ、という内容です。
今回、「ストリーミング戦争の正体」という記事を拝読しまして、 Disney+やAmazon Prime Videoも、同様の考え方でストリーミング配信サービスを運営しているという考え方に、なるほどやはり!という学びがありましたので、改めて動画配信サービスは別の物事に付加価値をつけたり、利益を得ることにつながる、という内容をまとめたいと思います。
各サービスの狙いについての詳細や現状については、「ストリーミング戦争の正体」をぜひお読みください。
ストリーミング配信サービスで稼がなくても良いという考え
Apple、Amazon、Disneyは、ストリーミング配信サービスで利益を上げようとは思っていません。
- 製品やサービスのオマケとして見られる(Amazon、Apple)
- みてもらうことでより自社の他のコンテンツ(IP)について好きになってもらい、別のところにお金を落としてもらう(Disney)
という考え方で、配信サービスにお金を投じています。
特にDisney+はマンダロリアンのヒットもあり、アメリカでは大成功を収めており、2019年の第4四半期には、ストリーミングサービスのシェアのうち、34%を占めていたそうです。(Netflixは11%)
Disney+は価格も月7ドル、3年払いだと月4ドルだそうで、Netflixの人気プランが13ドルなのと比べると、価格設定からはっきりとした意図が感じられます。
Disneyには、ディズニーランドがあり、映画があります。特に映画に関してはStar WarsやMarvel、Foxを近年次々と買収し、強力なコンテンツを沢山保持しています。
また、全く知らなかったのですがシンプソンズの独占配信権も購入したそうです。
それらを月4~7ドルで視聴できるというのは破格ですから、人気が出るのも当然です。
大雑把な例にまとめると、ディズニーの狙いは以下のようなものです。
- スターウォーズが好きな人が、マンダロリアンを見るためにDisney+を契約し、ついでにMarbelをストリーミングで見るようになり、映画館にMarbelの新作映画を見に行き始める。
- National Geographicを見るためにDisney+を契約した人が、他のディズニーコンテンツに触発されディズニーランドに通い始める。」
ストリーミング配信を通じて、自社の他のコンテンツに興味を持ってもらい、別の機会にお金を落としてもらう、ということを狙うために運営しているのがDisney+というわけです。
動画をオマケにするという考え方は応用が利く
先述の各社のような、大規模配信や有名コンテンツを保持しているからこそ、動画をオマケにすることができる、という事ではありません。
たとえば、
- グッズ購入者の方だけに、特別な動画を視聴させる(ファングッズなどであれば、メッセージ動画など)
- セミナー受講者にはオンライン動画でも受講できるサービスを提供する
- レシピ本購入者には、調理の動画を視聴できるサービスをつける
などなど、様々な応用が考えられます。
弊社のソーシャルキャストを利用することで、上記のような仕掛けは低コストかつ簡単に実現できてしまいます。
動画をオマケとして使うという発想を持てば、マーケティングの幅も増えますね。
おまけ:ストリーミング配信サービスで稼ぐんだという考えが古いわけでも悪いわけでもない
Netflixは、ストリーミング配信サービスそのもので稼ぐことを目的としています。
アミューズメントパークや他のサービスを保持しているわけではなく、ストリーミング配信で利益を上げることが「本業」のためです。
2019年はローマ、2020年はアイリッシュマンがアカデミー賞にノミネートされ、いくつかの部門で受賞するなどしており、ストリーミング配信が主体の会社がここまでの作品を自社資本で作るのか・・ということに驚きました。
「本業」で売り上げを上げるために、それこそディズニーに負けないレベルの作品を作ることにお金をかけている、ということになります。
弊社のお客さまでも、動画そのものを商品として売り上げを上げていらっしゃる企業は多数いらっしゃいます。