- 導入前の状況
- 動画販売プラットフォームの自社開発を検討したが、システム構築にかかる工数が全く読めず現実的でなかった
- 自社ブランドを維持した形での動画販売を行いたかったが、クオリティの高いデザインで本格的な動画販売事業を可能にするソリューションが見つからなかった
- 採用の決め手
- 豊富な販売方法や会員管理機能など、継続的な動画販売事業を行うのに必要なものがすべて揃っている
- 比較検討した他社のサービスと比べて、デザインの自由度が一番高く、自社の求めるブランディングに対応できる
- オンデマンド、レンタル販売、セット販売、購入者特典やダウンロード販売(購入者にだけデジタルデータを配付できる機能)など、様々な形でコンテンツを売ることができる
- 導入後の効果
- YouTubeで実施した完全無観客のライブ配信(9時間生配信のロックフェス)のアーカイブ動画を、ソーシャルキャストで構築した動画サイトにて無料会員登録者限定で視聴できるようにしたところ、会員が約1,000人増えた
- ライブイベントから動画サイトにユーザーを誘致をして、自社サービスの会員を増やしていくという道筋が見えてきた
アーティストの世界観や生き様をストーリーとして伝える
LITORY Liveについてお教えいただけますでしょうか。
「LITORY Live」は、弊社名『LITORY』の由来である、ミュージシャンやバンドなどの「アーティストの生き様(LIVE)を物語(STORY)として伝える」ことをコンセプトにしたライブ動画サイトです。
音楽ライブの熱狂を閉じ込めたライブ動画やアーティストの世界観・思想などが知れるインタビュー記事などのコンテンツを無料・有料で配信しています。
弊社は、「表現に輪郭を、生き様へ共鳴を。」をスローガンに、ライブ動画プラットフォーム事業である、LITORY Liveをはじめ、ライブイベント事業やアーティストマネジメント事業を展開している会社です。
新型コロナによるリアルな場での事業構想の頓挫、動画配信という新たな選択肢
動画配信を始めようと思われたきっかけは何でしょうか?
私自身は元々、エンタメ業界の人間ではなく、システム構築などを行うIT系の会社の営業マンでしたが、「どうしても音楽に関わる仕事がしたい」という強い想いがあり、昨年2020年1月に起業して立ち上げたのがLITORYです。
実は、LITORYの立ち上げ当初は、動画配信事業をやろうというのは考えていませんでした。
起業した2020年1月当時は、ちょうど新型コロナが中国で出始めたという頃で、まだ日本の市場的にはその影響がなかった時期でした。
そのため、最初は、ミュージックビデオやリリックビデオを簡単に作れるITサービスの構築など、どちらかと言うと動画配信ではなく、ライブハウスの撮影側の事業を考えていました。
ライブハウスは、アーティストのライブ出演の他に定点カメラで撮影した演奏をDVDにして渡す、といったオプションサービスを提供しています。
そこに目を付けて、たとえば、ライブハウスに機材を導入して、複数視点で撮影したものを編集できるような、もっと映像撮影・編集系の方向に事業構想が寄っていました。
しかし、2020年の3月頃に新型コロナが日本でも流行り出して、ライブイベントができない・ライブハウスのイベントがなくなる・投資も中々できない、という状況が発生しました。
そして、2020年4月の最初の緊急事態宣言が出た頃になると、元々起業で想定していたサービスが頓挫してしまったんです。
動画販売事業を立ち上げるにあたりどのような検討をされましたか?
その頃からあちこちのライブハウスさんが、自前でカメラを買ったり、配信の機材を買ってサービスを作ったりということを、急スピードで進め始めたので、その先自分がどのように事業転換をしようかと考えたときに、ライブ動画のプラットフォームを作ろうということになりました。
ライブハウスが事業継続のために「無観客ライブ配信をしなくてはならない」という状況に風向きが変わったときに、ライブ配信前のチケット販売サービスや生配信が行えるプラットフォームは大手や新興企業の参入も含めて、もう戦国時代並みに色々な企業がやり始めていました。
そのため、同じ市場に弊社が資本投下して生配信の領域に行くのは、資本力的にも知名度的にもだいぶ分が悪いなということもありまして、ここはちょっと避けようと思いました。
そのような状況の中、私がライブイベントに携わりながらライブハウスの方のお話をきいていたところ、生配信プラットフォーム系のサービスは生配信後のアーカイブ配信が長くても大体2週間・それ以上は有料、または、できないところがすごく多かったんです。
また、生配信を行っているアーティストの人たちは配信後のアーカイブ動画を持っているのですが、その使い道がないのはもったいないよね、じゃあそれを何かに使えないかなということで、「動画を販売するという領域を作りたい」と思ったので、生配信後の「アーカイブ動画の販売」に着目しました。
もうひとつは、生配信のプラットフォームには、音楽やバンドに特化しているものがほとんどなかったということです。
バンドのライブだけではなく、アイドルのイベントやお笑いのイベント、実況などの配信者系のものも一緒に提供しているサービスが多かったのですが、音楽だけでブランディングできるようなサイトというのがほとんどなかったんですね。
そのため、私としては音楽だけのコンテンツで、見た目もかっこよくデザインしていきたいというのがあり、それを単体のサービスとして作るという観点で動画販売事業の検討を始めました。
当時考えた事業構想はすごく簡単なイメージで言うと、今まではDVDを作って売っていたというような部分をオンデマンドで提供できるように、サイト上でストリーミングで販売できるようにするというものです。
こうしたサービスであればアーティスト側にとっても、ものの原価はあまりかからないですし、かつ、配信自体が増えているので、配信する映像を自分たちで編集していただいたり、もしくは、編集を任せていただいたりして、「作品」としてライブをプロモーションし、販売していくみたいなところの領域が作れると考えました。
自社ブランドを維持した形で動画販売が行える
自前の動画配信サービス構築を検討する上でどのような課題がありましたか?
音楽やバンドに特化したライブの動画プラットフォーム構築・動画販売の実現に向けて動き始めたとき、一番最初に考えたのは自前でシステム開発をしてしまおうということでした。
私には、何人かのエンジニアの方とのご縁があり、色々とお話を伺ったのですが、システム構築にかかる工数が全然読めませんでした。
そして、再検討したところ、動画販売の決済部分と会員管理のシステム構築のことを考えると、自前で構築するのはちょっと現実的ではないなと考えるようになりました。
そこで、動画販売が行えるようなサービスがないのかどうかを調べたときに、色々なサービスがあることがわかりました。
その中で、非常に低コストで簡単に動画販売が行えるサービスがあり、一度導入をしたのですが、そのサービスは会員管理ができず、メールアドレスなど購入者の情報が全く手に入らないものでした。
それだと、動画購入者の方とのリレーションが作れないことになり、継続的に動画販売ビジネスを行うというのは難しいため、この経験から決済だけでなく会員管理も重要だということがわかりました。
その後、いわゆる物販のECサイトのプラットフォームで動画販売できないかということも調べたのですが、どうしてもダウンロード販売になってしまうので、それだと弊社の考えにフィットしませんでした。
そうしている内に、ネット検索でさらに調べていき、自前の動画サイトを構築できるシステム、『ソーシャルキャスト』に辿り着きました。
ソーシャルキャストをご採用いただいたポイントをお教えいただけますでしょうか?
自前の動画サイトを構築できるシステムとして3社ほど検討しましたが、その中でソーシャルキャストがいいなと思った理由は、他社さんのサービスと比べて、デザインの自由度が一番高かったということです。
また、販売方法もオンデマンド・レンタル販売・セット販売・購入者特典やダウンロード販売(購入者にだけデジタルデータを配付できる機能)があり、自分がやりたいことが全部できたのがソーシャルキャストでした。
検討していた他社さんのサービスですと、自分がやりたいことの何かが必ずできなかったという状況でした。
顧客に動画を販売するにあたってサービスの見せ方や、コンテンツの売り方が色々な形で行えるというのと、ブランディングとしてのデザインはエンタメ系では重要なので、そこが実現できるというのがソーシャルキャストを採用した決め手です。
要求仕様の中で特に重視された性能面について詳しくお聞かせください。
特に重視していたのは、デザインの自由度と販売方法の豊富さです。
自社ブランドを維持した状態で動画販売を実現するためには、デザインを自由なものに変えられる必要がありました。
また、販売方法というところでも、単品販売やセット販売など、複数の販売方法が利用できるということは、お客様に価値を提供する方法が色々あるということになります。
ライブイベント×ソーシャルキャストで相乗効果を生み出す
ソーシャルキャスト導入後の定量的な効果について、具体的な数値などがありましたらお聞かせください。
お声かけしたバンドの中には、生ライブ配信はしていても動画販売はちょっとな…みたいな方々も結構多く、いわゆる動画内容の修正や編集をしたいという要望があったりして、事業的には、ライブ動画のプラットフォームだけを作っても、最初はうまく広がらなかったです。
そのため、ライブのイベントから自分たちで企画をして、そのイベントの内容をLITORYのサイトでアーカイブ配信、販売させてもらおうというような考えで、ライブイベント事業にも踏み込みました。
ライブイベント事業では、下北沢のライブハウスなどと組んでやっていたりするのですが、他にも大きなイベントとして、今年2021年2月に『LITORY LIVE FLAME』という、イベントを企画し、完全無観客ライブ配信で、9時間生配信のロックフェスを実施しました。
そのイベントの生配信自体は、YouTubeで行い、1日で7,000人位の方に見ていただくことができました。
そして、生配信後のアーカイブ動画をソーシャルキャストで構築したLITORY Liveにて、2~3か月程の期間、無料会員登録者限定で視聴できるようにしたところ、約1,000人会員が増えました。
こうしたライブイベントからLITORY Liveに誘致をして会員を増やしていくみたいなところの道筋が見えてきたところです。
イベントを行っていると、色々なバンドやアーティストとつながりを持つようになりまして、そのご縁もあって現在、アーティストマネジメント事業にも足を踏み入れているというような状況です。
弊社でマネジメントをしているアーティストを中心にイベントを作りながら、そのイベントの動画をLITORY Liveで配信し、事業を回していくみたいなところを今考えています。
現在、展開している3つの事業、ライブ動画プラットフォーム事業(LITORY Live)・ライブイベント事業・アーティストマネジメント事業のどれが弊社の軸か、というのは難しいところではありますが、それぞれがお互いに補完し合いながら、相乗効果を出せるようにしています。
ソーシャルキャスト導入後に感じた良かった点についてお聞かせください。
ソーシャルキャスト導入後に感じた良かった点としては、動画の登録・販売ページの登録など、いわゆる商品登録は結構楽だなと思いました。
あと、管理画面が使いやすく、会員管理もわかりやすかったです。
顧客管理という点では、管理画面から会員のプロフィール項目を自由に増やせるのですごくいいなと思いました。
ライブ動画プラットフォームを自前で構築することを考えていたときに、こういう機能がないと顧客管理はできないよなと思っていたことがソーシャルキャストではできたのでそれは良かったです。
そして、LITORY Liveのサイトのデザインは評判もいいので、ソーシャルキャストはイメージしていたものを実現できるサービスになっていると考えています。
アーティストの生き様のストーリーを広げていく
今後ソーシャルキャストを使って実現していきたいことはございますか?
現在は、単品の動画販売を行っていますが、コンテンツ数が増えてきたら、セット販売も行っていきたいです。
仲のいいアーティスト同士も結構いるので、リアルライブの対バンみたいのものをネット上で再現していきたいという考えがあります。
また、コンテンツとしては今はライブ動画を配信していますが、ライブ動画以外のものも配信していきたいと思っています。
たとえば、アーティストのレコーディング風景やライブの裏側などを収めたドキュメンタリーのようなもの、制作のプロセスみたいなところを伝えられるような動画の販売も行っていきたいと考えています。
それも「ライブ」というものを音楽のライブだけではなく、アーティストの生き様ととらえているからこそ、こうしたコンテンツの広がりを事業として考えているところです。
その他、動画だけでなく、アーティストのグッズ販売なども検討しています。