- 導入前の状況
- 日本のドキュメンタリー文化の衰退に強い危機感を抱いた劇場映画やドキュメンタリー番組のプロデューサー、ディレクターの有志が現状を変えたいと集まった
- しかし、ドキュメンタリーの制作費がどんどん削減され、本数や枠も減っている日本では、既存のテレビ局や、大手ネット配信会社には期待ができなかった
- そこで、自分たちで動画配信を始めようと決意して事業に踏み出した
- 採用の決め手
- 投入できる資金が限られていたが、低コストで動画サービスが作れる「レンタルプラン」は、導入コストを大幅に抑えることができた
- 動画配信について知識が無くても十分に理解できるわかりやすいシステムは、安心できた
- サブスクリプションや、単品・セット販売など、必要とする機能がすべて備わっていた
- サブスクリプションサービスにすることで、自分たちの強みであるドキュメンタリー映画のキュレーションサービスそのものをユーザに買っていただこうと考えた
- 導入後の効果
- ソーシャルキャストを導入して、約2年間、大きなトラブルなく安定した運営を続けることができている
- 動画サービスの会員数は着実に伸びている
- 大手の他社サービスより、自分たちのラインナップに魅力を感じるという会員が少なくない
アジアについて知る、学ぶ、考えるきっかけをご提供したい
アジアンドキュメンタリーズについてお教えいただけますでしょうか。
「アジアンドキュメンタリーズ」は優れたアジアのドキュメンタリー映画を動画配信するサービスです。
現在、世界中の国際映画祭などで高く評価された国内外の作品100本以上のドキュメンタリー映画が、月額見放題990円、単品購入495円で会員の皆様にお届けしています。
サービスの特徴としては、作品のテーマを「アジア」に絞っている点です。
私たち日本人は、アジア人であるにもかかわらず、じつはアジアについてよく知りません。
インドがどんな国か、イランがどんな国か、自分の言葉で語れる日本人は決して多くはありません。
さらに、香港の民主化運動、ウイグルの民族弾圧、朝鮮半島の不安定な政治情勢、すでに、さまざまな要因がからみ、東アジアも激動の時代に突入しています。
まずは、身近なところからアジアについて知る、学ぶ、考えるきっかけをご提供したいと考えています。
いかに良作を、本当に必要としている視聴者に届けられるか
ドキュメンタリー映画の動画配信で大切にされていることは何でしょうか?
そして、大切にしていることが、いかに良作を、本当に必要としている視聴者に届けられるかということです。 ドキュメンタリー映画は、作品ごとに扱われるテーマやその背景にある社会問題、内容を理解するための知識も異なります。
そのために、何千、何万という大量のタイトルの中から、お客様が選んでご覧いただくというサービスではなく、ドキュメンタリー映画を熟知したキュレーターが、作品を厳選し、テーマごとに複数本の作品をまとめて月ごとに「特集」として編成することで、作品群に新たな意味や価値をつけてお届けしています。
作品ごとに、丁寧な解説をおこない、専門家による解説動画を無料でお届けしているものもあります。
日本のドキュメンタリー文化の現状を変えたい
動画配信を始めようと思われたきっかけは何でしょうか?
「アジアンドキュメンタリーズ」は、劇場映画やドキュメンタリー番組のプロデューサー、ディレクターの有志によって2018年8月から開始したサービスです。
背景には、日本のドキュメンタリー文化の衰退に強い危機感を抱いた制作者が、現状を変えたいと始めたものです。
日本では、ドキュメンタリーの制作費がどんどん削減され、本数や枠も減っています。
視聴率が取れない、観客が入らない、だからお金をかけられない、制作者も育たない、という悪循環に陥っているのです。
海外のドキュメンタリー映画と比べると、予算が1桁違うと言っても過言ではありません。 海外のマーケットに中国や韓国のドキュメンタリーがあっても、日本の作品はなかなか見当たりません。 こうした現状を打破するためには、まず日本人に、もっともっと海外も含めたクオリティの高いドキュメンタリー映画の本当の魅力や面白さを知ってもらわなければと考えたのです。
しかしそれを、既存のテレビ局や、大手ネット配信会社には期待できませんでした。だから自分たちで始めようと考えました。
2018年2月に会社を設立して、半年の準備期間を経て、8月にサービスをスタートさせました。
多くの業界関係者から「ドキュメンタリーは絶対に儲からない」とアドバイスを受けましたが映画文化の多様性を守ってきたミニシアターのように、「動画配信のミニシアターになる」と決意して事業に踏み出しました。
優れた作品を厳選し、お届けできる
ソーシャルキャストをご採用いただいた経緯とポイントをお教えいただけますでしょうか?
私たちは、ドキュメンタリーの作り手として、プロフェッショナルであるという自信があります。
だからこそ、優れた作品を厳選し、お届けできるという自信もありました。
しかし動画配信については、完全に素人でした。ほとんど何の知識もありませんでした。
さらに、投入できる資金も限られていました。
業界関係者から儲からないといわれる事業をわざわざ始めるわけですから、借金をするわけにもいきません。
すべて自己資金で賄うことを前提に、サービスのシステムを構築する必要がありました。
そのために独自のプラットフォームを開発することなどは不可能でした。
そこで着目したのがソーシャルキャストです。
ソーシャルキャストの「レンタルプラン」は、導入コストを大幅に抑えることができます。
なおかつ素人でも十分に理解できるわかりやすいシステムは、安心できました。
ソーシャルキャストには「月額見放題」と「単品購入」さらに「セット販売」機能など、私たちが必要とする機能がすべて備わっていました。
動画コンテンツのキュレーションを行ううえで、とても使いやすいシステムだと高く評価しています。
個人情報を手元に残さないシステムというのも安心できます。
お客様には「アジアンドキュメンタリーズ」というサービス全体を買っていただく
特に重視されたソーシャルキャストの機能について詳しくお聞かせください。
ドキュメンタリー映画の配信にとって、私たちが重視していたのはサブスクリプションサービスです。
なぜなら、有名な原作や俳優の出演で話題性を高められるドラマや劇映画などは作品ごとにある程度ヒットの可能性を逆算することができますが、ドキュメンタリー映画は、何がヒットするかを見抜くことは非常に難しいのです。
また、ヒットする作品ばかりを配信していると、ラインナップが偏ったものになってしまいます。
たとえヒットの可能性が低いものだったとしても、社会的に意義のある作品は積極的に配信していきたいのです。
つまり、お客様には、作品を買っていただくというより、むしろ「アジアンドキュメンタリーズ」というサービス全体を買っていただこうと考えました。
それがドキュメンタリー映画の配信事業には必要だと。
ソーシャルキャスト導入後の効果についてお聞かせください。
ソーシャルキャストを導入して、約2年間、大きなトラブルなく安定した運営を続けることができました。
会員数は、少しずつではありますが着実に伸ばしています。
お客様の中には、大手の他社サービスより、アジアンドキュメンタリーズのラインナップに魅力を感じるとおっしゃってくださる会員の方が少なくありません。
私たちの強みでもあるキュレーションのねらいや意図が、会員の皆様にわかりやすく伝わりやすい構造になっていることが良い効果を発揮していると感じます。
日本で制作されたドキュメンタリー映画を、海外へ発信
今後の事業展開についてお教えいただけますでしょうか。
今後は、日本国内向けのサービスの充実と並行して、海外展開を行っていきたいという目標があります。
日本で制作されたドキュメンタリー映画を、海外へ発信していく機会を増やしたいのです。
将来的には、多言語への切り替え機能などを活用しながら、アジア諸国でも視聴していただけるサービスにしていきます。